【目次】
1. マイクロ流体デバイス製作で求められる高精度加工
2. マイクロ流体に求められる設計要件
3. マイクロ流路の試作で発生しやすい課題
4. 従来の加工方式と3Dプリンターの課題
5. マイクロ流体デバイスに3Dプリントを活用するメリット
6. PμSL技術による微細流路・3次元流路の高精度造形
7. BMFが支援できるマイクロ流体デバイス開発
COVID-19の世界的大流行が続く中、多くの医療・製薬企業が高性能かつ低コストの診断技術を求めており、精密マイクロ流体技術がますます注目を集めています。マイクロ流体関連製品はすでに医療、バイオ、ヘルスケア業界で広く使用されており、環境モニタリングや食品、農業研究などの分野への応用も拡がってきています。
マイクロ流体工学に基づくラボオンチップ(LOC)技術により、フェムトリットル(1/1015ml)程度の極めて少量の液体を用いて効率的にアッセイを自動化することが可能になります。この技術を用いることで、 DNAやRNAのシーケンシングを迅速かつ安全に、そして低コストで行うことができます。しかし、マイクロ流体技術にはまだ多くの課題があります。

1. マイクロ流体デバイス製作で求められる高精度加工
マイクロ流体デバイスでは、流路幅や流路深さ、分岐構造、液体の流れ方を精密に制御する必要があります。特に、ラボオンチップ、創薬、診断デバイス、細胞培養、化学分析などの用途では、微細流路の形状精度が実験結果やデバイス性能に大きく影響します。
そのため、マイクロ流体デバイスの製作では、単に小さな流路を形成するだけではなく、複雑な流路設計を高精度に再現し、試作段階で形状や流体挙動を検証できる製造技術が求められます。
2. マイクロ流体に求められる設計要件
より効率的な検査を実現するために、マイクロ流体における流路径は100μm以下、あるいは50μm以下が望まれ、小型化だけでなく、より長い流路、同じ面積に多くの流路を配置することが望まれています。
従来のマイクロ流体工学では、伝統的な加工方法によって、すべての流路が同一平面上にある2次元流路に限定されていました。 しかし、空間内の3次元流路は、マイクロ流路の機能を大幅に向上させることができ、アプリケーションによっては、特定形状のマイクロ流体も求められています。
また、マイクロ流体工学は生物学や医療など幅広い分野で使用されているため、加工材料にも多くの要求があります。例えば、生体適合性や従来の滅菌・消毒工程に耐えるなどの性能を備えた材料が求められています。
3. マイクロ流路の試作で発生しやすい課題
マイクロ流路の試作では、設計した流路寸法を安定して再現することが重要です。流路径が100μm以下、あるいは50μm以下になると、わずかな形状誤差が流体の流れや混合状態に影響する場合があります。
また、研究開発段階では、流路幅、流路深さ、分岐形状、出口形状などを変更しながら複数の試作を行うことがあります。従来加工では、加工工程や接合工程に時間がかかり、設計変更への対応が課題になりやすい点があります。
このような背景から、マイクロ流体デバイスの開発では、微細流路を短期間で試作し、設計検証を繰り返せる製造方法が重要になります。
4. 従来の加工方式と3Dプリンターの課題
マイクロ流体の製造方法としては、CNCやフォトリソグラフィーが一般的です。 しかし、いずれの方法も工程が複雑で、手作業による接合や後処理が必要になる場合があります。 例えば、表面に配置された2つの流路を手作業で接着し、内部チャンネルを作る必要があります。 この方法は、操作が困難で、コストも時間もかかるだけでなく、非常にシンプルな構造しか作れないため、増え続ける要求に応えることが難しいのです。
現在、一部の企業や研究機関では、マイクロ流路を製造するために3Dプリント技術を活用し始めています。 3Dプリンターならではの利点を活かして、より複雑な流路や形状を製作することができるようになってきています。 しかし、通常の3Dプリンターでは、精度やスピードの面で満足する結果がなかなか出せません。 例えば、一般的な光造形方式DLP(Digital Light Processing)は、精度に限界があるため直径200μm以下の流路を作ることは難しく、TPP(Two Photon Polymerisation)印刷技術は、ナノレベルの精度を実現することができるものの、印刷速度が遅く、かつ、造形面積が限られているため、マイクロ流体への応用は難しいのが現状です。
5. マイクロ流体デバイスに3Dプリントを活用するメリット
3Dプリントを活用することで、従来の平面的な流路設計だけでなく、3次元的な流路構造や複雑な外形を持つマイクロ流体デバイスを検討しやすくなります。
特に、金型を作成せずに試作できるため、研究開発段階で複数の設計案を短期間で比較できます。流路設計を変更した場合でも、再試作までのリードタイムを抑えられる点は、マイクロ流体デバイス開発における大きな利点です。
一方で、微細流路の製作では、一般的な3Dプリンターでは精度や再現性が不足する場合があります。そのため、マイクロスケールの構造に対応できる高精度3Dプリント技術の選定が重要です。
6. PμSL技術による微細流路・3次元流路の高精度造形
2μm(130/230シリーズ)、または10μmの精緻な光学解像度(140/240シリーズ)、そして100mm×100mm×75mmの大きさまで造形が可能(240シリーズ)なラインアップを有するBMF独自のPμSL積層造形技術は、マイクロ流体加工市場に全く新しいテーラーメイドの製造ソリューションを提供します。 BMFの超精密技術により、設計者は50μmあるいはそれ以下の直径の流路を作ることができるだけでなく、従来の加工方法の限界を超えて、より高密度で大きなアスペクト比の流路を製作することができます。そして、精度の要求に加えて、2次元流路や螺旋状またはより複雑な3次元流路、特殊な外観形状などの製造も可能になります。

7. BMFが支援できるマイクロ流体デバイス開発
BMF Japanでは、マイクロ流体デバイスや微細流路部品の研究開発・試作に向けて、高精度3Dプリンターおよび造形サービスを提供しています。
以下のような開発課題に対応可能です。
・100μm以下、50μm以下の微細流路を試作したい
・2次元流路だけでなく、3次元流路や螺旋状流路を検討したい
・金型を作らずに複数の設計案を短期間で比較したい
・ラボオンチップや診断デバイス向けの試作を行いたい
・研究開発段階から小ロット製造まで相談したい

マイクロ流体デバイスの製作方法や微細流路の試作で課題がある場合は、BMF Japanまでお気軽にご相談ください。
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