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微細加工とは?主な加工方法・選び方と3Dプリンターの活用例

公開日: 2024.02.26

タグ:

微細加工

3Dプリンタ

【目次】

  • 1. 微細加工とは

  • 2. 微細加工の主な方法

  • 3. 微細加工方法の比較と選び方

  • 4. BMFのPµSL技術で検討できる微細加工の課題

  • 5. PµSLを検討するときの注意点

  • 6. BMFの微細3Dプリント活用例

  • 7. 微細加工を相談する前に整理したい情報

  • 8. 微細加工の方法選定からBMFに相談できます

微細加工とは、マイクロスケールの微小な穴、溝、流路、薄壁、突起などをつくる加工の総称です。電子部品、光学部品、医療機器、マイクロ流体デバイス、MEMSをはじめ、製品の小型化や高機能化を支えるさまざまな分野で利用されています。

代表的な方法には、微細切削、放電加工、レーザー加工、3Dプリンターによる微細造形があります。ただし、対応できる材料、形状、要求品質、試作数量、量産性は方法ごとに異なります。重要なのは、一律に「最も高精度な方法」を選ぶことではなく、開発目的と評価項目に合う方法を選ぶことです。

本記事は、次のような方を対象としています。

 ● 微細加工の基本と代表的な方法を知りたい

 ● 切削、放電、レーザー、3Dプリンターの違いを比較したい

 ● 複雑な微細構造をどの方法で試作すべきか判断したい

 ● PµSLによるマイクロ3Dプリントが適する場面を知りたい

微細加工の定義と工法を中立的に整理したうえで、BMFのPµSL技術がどのような開発課題に役立つ可能性があるか、適用時の注意点とともに解説します。

微細加工とは

微細加工は、マイクロメートル(µm)単位の寸法や公差、微小な穴・溝・流路・突起などを扱う加工の総称です。対象範囲に統一された基準があるわけではなく、業界、材料、用途によって「微細」とみなす寸法は異なります。

そのため、実際の加工相談では「微細加工が必要」という表現だけでなく、全体寸法、最小形状、穴径、溝幅、壁厚、公差、表面品質などを具体的に共有することが重要です。同じ寸法でも、材料、形状の深さ、アスペクト比、内部形状か外部形状かによって加工の難易度は変わります。

微細加工が必要とされる理由

微細加工が必要とされる主な理由は、部品の小型化、機能の高密度化、微小な対象を扱う機能の実現です。

電子機器では、限られた空間に多くの部品や機能を配置するため、小型で精密な部品が求められます。マイクロ流体デバイスでは、微小な流路を使って少量の液体を扱います。医療や研究分野では、微小な対象に作用する部品や、機能を検証するための精密な試作品が必要になる場合があります。

微細な溝、穴、突起、格子、周期構造などを設けることで、部品の表面や内部に特定の機能を持たせる設計も検討されています。ただし、求める機能を実現できるかは、形状だけでなく材料や使用環境を含めた評価が必要です。

微細加工が使われる主な分野

微細加工は、次のような分野で利用されています。

  電子部品・コネクタ

  光学部品・微細光学構造

  マイクロ流体デバイス

  MEMS・センサー

  医療機器・研究用デバイス

  精密金型・転写用マスター

  小型機構・研究用ロボット部品

分野が同じでも、必要な材料、寸法、公差、表面品質は製品ごとに異なります。用途名だけで加工方法を決めず、要求仕様から検討する必要があります。

微細加工の主な方法

ここでは、微細切削、放電加工、レーザー加工、3Dプリンターによる微細造形の特徴を紹介します。

微細切削・放電加工・レーザー加工・3Dプリンターの加工原理比較

微細切削加工

微細切削加工は、微小径の工具で材料を除去し、目的の形状をつくる方法です。金属や樹脂などの加工に利用され、寸法や表面品質を管理しやすい点が特徴です。

一方、工具径より小さい形状は加工できず、工具が届く方向にも制約があります。硬い材料を加工する場合や加工量が多い場合は、工具摩耗、バリ、切りくずの処理も考慮しなければなりません。開放された溝や穴、平面を含む精密部品などで有力な選択肢になります。

放電加工

放電加工は、電極と工作物の間に発生する放電の熱によって材料を除去する方法です。工具で直接削る方法とは異なり、硬い材料でも加工しやすく、加工時に大きな切削力がかからない点が特徴です。

形彫り放電加工では目的形状を反転した電極を使い、ワイヤ放電加工では細いワイヤ電極で材料を切断します。微細穴や金型形状などに利用されますが、原則として導電性材料が対象です。電極の準備、加工時間、加工面の状態も含めて検討します。

レーザー加工

レーザー加工は、集光した光エネルギーを利用して材料を除去または改質する方法です。非接触で加工できるため工具摩耗がなく、微細穴、微細溝、表面パターンなどに利用されています。

一方、材料や加工条件によっては熱の影響を受ける場合があります。焦点深度、加工深さ、加工面の状態も品質に影響します。レーザーの種類と材料の組み合わせを確認し、目的に合う加工条件を設定することが重要です。

3Dプリンターによる微細造形

3Dプリンターは、3Dデータをもとに材料を積層し、形状をつくる付加製造法です。材料を削り取る除去加工とは異なり、内部流路、格子、曲面、複数の機能を組み合わせた一体構造などを製作しやすい点が特徴です。

また、専用の金型を新たに製作せず、3Dデータを修正して次の試作へ進められるため、設計案を比較する開発にも活用できます。

ただし、すべての微細形状を造形できるわけではありません。対応材料、造形方向、サポート、未硬化材料の排出、洗浄、硬化、表面品質などの条件が結果に影響します。

一般的な3DプリンターとBMFのPµSL技術の違い

3Dプリンターには、材料押出方式、光造形方式、粉末材料を用いる方式など、さまざまな造形方式があります。それぞれ、得意な造形サイズ、形状、材料、表面状態が異なり、外観確認用の模型、治具、部品の試作など、目的に応じて使い分けられています。

一方、微細な穴、薄壁、流路、格子、複雑な曲面などを含む部品では、単に造形サイズが小さいだけでなく、微細形状の再現性や造形方向、材料の排出経路、洗浄性、後処理まで考慮する必要があります。そのため、すべての3Dプリンターが微細構造の造形に適しているわけではありません。

BMFのPµSL(Projection Micro Stereolithography)は、光造形方式の一種であるSLAを、マイクロスケールの精密造形に最適化した技術です。一般的なSLAがレーザーで点または線状に硬化させるのに対し、PµSLではデジタルマスクを用いて各層のパターンを面で投影します。BMFは、この投影方式に精密光学系やモーション制御などを組み合わせ、微細構造を含む三次元形状の試作や、設計変更を伴う研究開発に活用しています。

特に、切削工具が届きにくい内部構造、微細流路、薄壁、微細穴、格子構造などでは、PµSLによる一体造形が選択肢になる場合があります。金型を製作する前の形状確認や、複数の設計案を比較する試作にも適しています。

ただし、PµSLですべての形状や材料に対応できるわけではありません。実際の造形可否は、形状、使用材料、造形方向、サポート、未硬化樹脂の排出、洗浄、後処理、要求品質などによって異なります。

PµSLの詳しい仕組みや、SLA・DLPとの違いについては、PµSLとは|微細部品・微細構造に対応する高精度マイクロ3Dプリント技術で解説しています。

微細加工方法の比較と選び方

加工方法

基本原理

得意な形状・用途

主なメリット

主な注意点

微細切削加工

微小径工具で材料を除去

開放形状の溝・穴、精密部品

対応材料が広く、寸法や表面を管理しやすい

工具径、工具摩耗、加工方向による制約がある

放電加工

放電の熱で材料を除去

硬質金属、微細穴、金型

硬い材料にも対応しやすく、切削力がかからない

原則として導電性材料が対象。電極や加工時間の検討が必要

レーザー加工

光エネルギーで除去・改質

薄板、微細穴、表面パターン

非接触で工具摩耗がなく、微細パターンを加工しやすい

材料によって熱影響や加工面の状態に注意が必要

3Dプリンター

3Dデータから材料を積層

内部流路、格子、曲面、一体構造、試作

複雑形状と設計変更に対応しやすく、専用金型を使わず試作できる

材料、造形方向、サポート、洗浄、硬化、表面品質の確認が必要

※上表は一般的な比較です。実際の加工可否や品質は、材料、寸法、形状、公差、設備、後処理によって異なります。

加工方法を選ぶ5つの判断軸

加工方法は、次の5項目を図面または3Dデータと照らし合わせて選びます。

材料指定材料に対応できるか

● 形状内部流路、深穴、薄壁、格子、アンダーカットがあるか

● 要求品質:寸法公差、表面品質、機械特性などを満たせるか

● 数量:単品試作、設計検証、小ロット、量産のどの段階か

● 変更頻度:設計変更を何回程度行う可能性があるか

一つの方法ですべての要求を満たすとは限りません。3Dプリンターで形状を検証した後に別の工法へ移行するなど、複数の方法を組み合わせる選択もあります。

微細部品で試作が重要な理由

微細部品では、わずかな寸法差、表面状態、組み付け条件が機能評価に影響することがあります。そのため、量産方法を決める前に試作品を製作し、形状再現性、組立性、流体挙動、耐久性など、用途に応じた評価項目を確認することが重要です。

試作の目的は、単に完成形に近いものをつくることではありません。形状と機能の確認、製造工程の検証、コスト要因の把握、必要なリードタイムの確認など、開発段階に応じて判断したい項目を明確にします。

試作と量産で選択が変わる理由

試作では、初期準備を抑えながら複数案を比較できることが重要です。一方、量産では、1個当たりの加工時間、再現性、検査方法、治具や金型の準備なども判断材料になります。

試作段階で3Dプリンターを使って形状や機能を確認し、設計を確定した後に量産に適した方法へ移行することもできます。現在の開発段階で何を確認したいかを整理すると、適切な方法を選びやすくなります。

BMFのPµSL技術で検討できる微細加工の課題

工具が届きにくい内部流路や一体構造

切削工具が届かない内部流路や、複数部品に分割すると組み立てが難しい微細構造は、従来工法では設計や工程が複雑になる場合があります。PµSLでは、3Dデータから一体構造として造形できる可能性があります。

ただし、内部に残った材料を排出できるか、十分に洗浄できるかも設計段階で確認しなければなりません。造形可能な形状と、後処理まで含めて実用的な形状は必ずしも同じではありません。

BMF のPµSL技術によるマイクロ流路の造形サンプル

BMFのPµSL技術によるマイクロ流路の造形サンプル

金型製作前に複数の設計案を比較したい

開発初期に設計変更が多い場合、案ごとに専用の金型や工具を準備すると負担が大きくなることがあります。PµSLを含む3Dプリントでは、3Dデータを修正して次の試作へ進められるため、複数案の形状や機能を比較しやすくなります。

試作結果を量産設計へ反映し、設計確定後に別の製造方法へ移行する使い方も可能です。PµSLだけで最終製造まで完結させることを前提とせず、開発段階に応じた位置づけを明確にすることが重要です。

微小形状と部品全体を同時に検討したい

局所的な微細構造だけでなく、部品全体の形状、接続部、保持部などを一体で評価したい場合があります。マイクロ3Dプリントは、微小形状と部品全体を一体として3Dデータ上で設計し、試作品で確認するための手段の一つです。

実際に再現できる形状は、材料、造形方向、サポート、洗浄、後処理などの条件によって異なります。重要箇所と許容条件を事前に整理し、造形可否を確認します。

PµSLを検討するときの注意点

対応材料と使用環境

形状を造形できることと、最終用途で要求される性能を満たすことは別の判断です。強度、耐熱性、耐薬品性、表面品質、寸法安定性などを、使用環境に応じて確認する必要があります。

造形方向・サポート・後処理

造形方向やサポートの配置によって、表面状態や後処理のしやすさが変わります。内部流路では材料の排出と洗浄、薄壁や細長い形状では造形時と後処理時の取り扱いも検討します。

3Dプリンターが最適ではない場合

大量生産で金型を使うほうが適している場合、指定材料が造形方式に対応しない場合、切削や研磨でなければ満たしにくい表面品質が必要な場合などは、3Dプリンターが最適とは限りません。

BMFへ相談する際も、最初から工法を限定せず、用途、評価目的、形状、材料、数量を共有することで、PµSLの適合性を判断しやすくなります。

BMFの微細3Dプリント活用例

BMFの公開事例では、マイクロ流体デバイス、MEMS・センサー、医療・研究用デバイスなど、複雑な微細構造を必要とする研究開発への活用が紹介されています。

マイクロ流体デバイス

微細流路、混合部、接続部などを組み合わせたデバイスでは、流路形状を変更した複数案の比較が必要になる場合があります。3Dプリントを使う場合も、内部材料の排出、洗浄性、接続方法、使用環境を含めて評価します。

マイクロ3Dプリントの応用事例を見る

MEMS・センサー

MEMSやセンサーの研究では、生物を模倣した形状、微細な周期構造、流体や接触を制御する構造などが求められる場合があります。公開事例では、BMFの技術が研究用部品の複雑形状の造形や機能検証に用いられた例を確認できます。

MEMS・センサーを含む研究事例を見る

医療・研究用デバイス

医療・研究用デバイスでは、小型化だけでなく、操作性、組立性、流体挙動などの確認が必要です。マイクロ3Dプリントは設計案を反復する研究・試作工程で活用される場合があります。

研究用試作品の造形結果は、最終製品の安全性や臨床性能を保証するものではありません。用途に応じた材料評価、試験、法規制への対応が別途必要です。

マイクロカテーテルの研究事例を見る

微細加工を相談する前に整理したい情報

次の情報を整理すると、加工方法や造形可否を検討しやすくなります。

 ● 2D図面または3Dデータ

 ● 製作物の用途

 ● 全体寸法と最小形状

 ● 必要な公差と表面品質

 ● 希望材料と使用環境

 ● 試作の目的と評価項目

 ● 必要数量

 ● 希望時期

 ● 洗浄、硬化、研磨、転写など後工程の要否

すべての条件が確定していない段階でも、現在決まっている条件と、試作で確認したい項目を分けて共有すると相談しやすくなります。

微細加工とは何ですか?

微細加工とは、マイクロメートル単位の寸法や公差、微小な穴・溝・流路・突起などを扱う加工の総称です。統一された寸法範囲があるわけではなく、対象分野や用途によって「微細」の基準は異なります。

微細加工にはどのような方法がありますか?

代表的な方法には、微細切削、放電加工、レーザー加工、3Dプリンターによる微細造形があります。材料、形状、公差、表面品質、数量、開発段階などを比較して選定します。

PµSLとはどのような技術ですか?

PµSLは、投影によって光硬化性材料を層ごとに硬化させ、微細な三次元構造を形成するマイクロ3Dプリント技術です。詳しい原理と他方式との違いは、BMFのPµSL技術解説で紹介しています。

PµSLはどのような形状に向いていますか?

内部流路、格子、曲面、アンダーカットを含む形状、複数の機能を組み合わせた一体構造など、工具が届きにくい複雑形状の試作に適する場合があります。ただし、材料の排出、洗浄、サポート除去が可能な設計かどうかも確認が必要です。

切削加工と3Dプリンターはどちらを選べばよいですか?

開放形状で表面品質や指定材料を重視する場合は、切削加工が適することがあります。一方、内部構造や複雑形状を一体化したい場合、設計変更を繰り返したい場合は3Dプリンターが候補になります。要求仕様によっては両者を組み合わせます。

微細部品ではなぜ試作が必要ですか?

微細部品では、わずかな寸法差や表面状態が機能評価に影響することがあります。試作品を使って形状再現性、組立性、流体挙動などを確認し、その結果を設計や製造工程へ反映するために試作を行います。

3Dプリンターで造形できれば、そのまま最終製品に使えますか?

必ずしも使えるとは限りません。強度、耐熱性、耐薬品性、表面品質、寸法安定性など、最終用途の要求を満たすか個別に評価する必要があります。

微細加工の相談には何を用意すればよいですか?

2D図面または3Dデータ、全体寸法、最小形状、公差、希望材料、用途、必要数量、希望時期があると検討しやすくなります。条件が未確定の場合は、試作で確認したい項目をお知らせください。

微細加工の方法選定からBMFに相談できます

微細加工では、形状を製作できるかどうかだけでなく、試作によって何を評価するのか、その後どの製造方法につなげるのかを整理することが重要です。

BMF Japanでは、PµSL技術を用いたマイクロ3Dプリントについて、用途と要求仕様を確認しながら造形可否を検討します。内部流路、薄壁、微細穴、格子、曲面など、従来工法では工程が複雑になりやすい形状もご相談ください。

BMFのマイクロ3Dプリンターと微細造形サンプル

まず形状の造形可否を確認したい方

図面や3Dデータをもとに、試作目的と確認したい条件をお知らせください。

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社内導入する装置を比較したい方

研究開発や精密試作に使用する装置を検討している方は、microArchシリーズの製品ページをご覧ください。

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【目次】

  • 1. 微細加工とは

  • 2. 微細加工の主な方法

  • 3. 微細加工方法の比較と選び方

  • 4. BMFのPµSL技術で検討できる微細加工の課題

  • 5. PµSLを検討するときの注意点

  • 6. BMFの微細3Dプリント活用例

  • 7. 微細加工を相談する前に整理したい情報

  • 8. 微細加工の方法選定からBMFに相談できます

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