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TE Connectivityのコネクタ試作事例|マイクロ3Dプリントで金型製作前の設計検証

公開日: 2026.10.23

タグ:

コネクタ 試作事例

【目次】

  • 1. 微細化するコネクタ部品をどう試作するか

  • 2. PµSLで構成部品を造形し設計変更と評価を繰り返す

  • 3. 試作用金型を経ずに量産用金型へ

  • 4. 評価に使う試作品で確認したい条件

  • 5. 微細コネクタ部品の試作はBMF Japanへ


TE Connectivity(TE)は、コネクタやセンサなどの接続・センシング製品を設計・製造するグローバル企業です。自動車、産業機器、航空機、医療機器、通信インフラなど、幅広い分野に製品を提供しています。

同社が開発する高速コネクタでは、小型化に伴って構成部品の形状も微細になり、従来の試作方法では対応が難しくなっていました。金型を使えば製作できるものの、設計を十分に評価する前に金型へ投資する必要がありました。

そこでTEは、BMFのmicroArch 3Dプリンターでキャリアやカバーなどを試作しました。100µm未満の薄肉部を造形し、10回を超える設計変更と評価を実施。機械的・電気的な試験を進めた後、量産用金型の製作へ移行しました。

本記事では、TEがBMFのPµSLを使って、金型製作前の設計・評価をどのように進めたかを紹介します。

本事例のポイント

  • 対象部品:サーバー間・基板間接続向け高速コネクタを構成するキャリアやカバーなど。

  • 試作・評価:100µm未満の薄肉部を造形。10回を超える設計変更と機械的・電気的評価を実施。

  • 金型製作:造形部品による評価を経て、試作用金型を使わず量産用金型へ。

3Dプリンターでコネクタ試作事例

微細化するコネクタ部品をどう試作するか

TEのデータ接続チームが取り組んでいたのは、サーバー間や基板間の接続に用いる高速コネクタです。微細部品を金型で試作する場合、設計変更に合わせて金型を用意する必要があり、費用と時間がかかります。

設計変更が続く段階で、必要な部品をどのように試作するか。この課題に対し、TEはBMFのmicroArch 3Dプリンターを使った開発を進めました。

BMFの選定に際してTEが重視したのは、装置の費用や設置面積に加え、特定の専用材料だけに制限されないオープンな材料プラットフォームでした。サンプル部品を評価した後、最初のmicroArch 3Dプリンターを導入し、2020年に社内の試作拠点EPICenterへ移設しています。

PµSLで構成部品を造形し設計変更と評価を繰り返す

PµSL(Projection Micro Stereolithography)は、DLP方式と同じく、紫外線のパターンを投影して液体樹脂を一層ずつ硬化させる、BMF独自の高精度3Dプリント技術です。TEはPµSL技術を使い、キャリアやカバーなど、コネクタを構成する部品を製作しました。

PµSLの造形原理や一般的なDLP方式との違いについては、「PµSLとは」をご覧ください。

このプロジェクトでは、100µm未満の薄肉部を造形しています。微細な形状を備えた部品を組み込んだうえで、機械的・電気的な試験を行い、設計を修正する工程を繰り返しました。各段階で新しい金型を製作することなく、10回を超える設計変更と評価を重ねました。

TEは、造形したキャリアやカバーなどを組み立て、開発中の評価に使用しました。必要な寸法精度と再現性を確保した部品を使うことで、設計変更と試験を繰り返し進めました。

3Dプリンターによるコネクタの造形サンプル

試作用金型を経ずに量産用金型へ

TEは開発中の評価に造形部品を使い、その後、試作用金型を経ずに量産用金型の製作へ移行しました。

金型製作に着手する前に試験を進めることで、評価結果を設計に反映する時間を確保しました。TEはこの進め方を、次世代の高周波コネクタ開発にも採用しました。

試作から量産用金型へ至る工程は、部品や評価内容によって異なります。自社の開発に取り入れる際は、金型製作の前に確認したい項目を整理し、造形部品で評価できる範囲を検討します。

評価に使う試作品で確認したい条件

TEのBenjamin Dopp氏は、増材製造では洗浄や硬化、検査、製作履歴の管理が重要だと語っています。造形後の工程まで含めて品質を管理する姿勢は、評価用の試作品を製作する際にも参考になります。

微細な内部形状がある部品では、奥まで洗浄できるか、作業に手間がかかりすぎないかも検討します。Dopp氏は、造形直後の目視確認や、光・熱を使った硬化工程の管理にも触れています。評価結果を比較する際は、各試作品の洗浄・硬化条件も確認しておきます。

検査には、寸法測定や顕微鏡による確認のほか、部品に応じて通止ゲージも使います。また、製作時期や拠点が変わっても品質を維持するには、製作履歴をたどれるようにするトレーサビリティも重要です。

設計データの版、造形・後処理の条件、測定結果をひも付けて記録すれば、評価結果に差が出たときに原因を調べやすくなります。設計変更の影響か、製作条件の違いかを検討するための手がかりになります。

TE社がBMFの3Dプリンターで造形した樹脂部品

自社の部品で試作を検討する際は、まず、形状や組み付けを確認したいのか、機械的・電気的な評価に使いたいのかを明確にします。そのうえで、薄肉部や穴、位置決め部など、評価に関わる箇所と必要な寸法精度を整理します。

材料と後処理の条件は、評価目的に合わせて検討します。評価結果を受けて再設計するのか、追加試験を行うのか、金型製作へ進むのかも、あらかじめ関係者で共有しておくとよいでしょう。

適用時は、プリント材料と最終材料の違いを踏まえ、試作品で確認する項目と、最終成形品で確認する項目を分けます。射出成形を予定する場合は、充填性、収縮、反り、離型性なども別途検討します。

コネクタ試作の一般的な課題や工法の比較は、関連記事で紹介しています。

コネクタの種類とコネクタ試作に役立つ3Dプリンタの活用

微細コネクタ部品の試作はBMF Japanへ

微細なコネクタ部品の試作をご検討の際は、BMF Japanまでご相談ください。確認したい形状や寸法精度、評価目的、材料要件、必要数量などをお知らせください。

工業試作向け高精度3Dプリントについて詳しく見る

 

参考資料

[1]Printing at the Edge of Possibility How TE Connectivity Leverages Micro 3D Printing

[2]The Evolving State of Advanced 3D Printing

【目次】

  • 1. 微細化するコネクタ部品をどう試作するか

  • 2. PµSLで構成部品を造形し設計変更と評価を繰り返す

  • 3. 試作用金型を経ずに量産用金型へ

  • 4. 評価に使う試作品で確認したい条件

  • 5. 微細コネクタ部品の試作はBMF Japanへ

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