【目次】
1. 試作サービスとは
2. 試作サービスを依頼する前に整理する情報
3. 試作会社・試作サービスの選び方
4. 試作サービスを提供する主な会社
5. 微細・高精度試作に対応するBMFの造形サービス
6. まとめ
試作サービスとは、製品開発や研究開発の段階で、設計データや図面をもとに試作品を製作するサービスです。量産前に形状、組立性、機能、操作性などを確認することで、設計上の課題を早期に把握し、開発期間や手戻りの削減につなげられます。
主な製作方法には、3Dプリンター、切削加工、真空注型、簡易金型を用いた射出成形などがあります。適切な方法は、必要な精度、材料、サイズ、数量、納期、評価目的によって異なります。
本記事では、試作サービスの特徴と主な製作方法、依頼前に整理する情報、試作会社を選ぶポイントを解説します。あわせて、試作サービスを提供する主な会社と、微細・複雑形状の試作に対応するBMFの高精度3Dプリント技術を紹介します。
試作サービスとは
試作サービスの概要や特徴、製造方法について解説します。

試作サービスとは、新製品の開発にあたって顧客の要望に応じて試作品を製作して提供するサービスです。
試作サービスの主なメリットは以下の通りです。
・設計上の問題を量産前に発見できる
・形状、組立性、操作性、機能を実物で確認できる
・複数の設計案を比較できる
・社内外の関係者と評価結果を共有しやすい
・量産前の手戻りや開発リスクを抑えられる
試作サービスを活用すれば、数ある企画案の中から実際に実現可能かどうかはもちろん、現物を手に取ることでより良い案を選別することに役立ちます。
また、量産前に製品を実際に手に取って確認できるため課題の早期発見につながります。試作品をステークホルダーや専門家に確認してもらえば、早期段階からプロジェクトに参画してもらい製品の評価を得ることも可能です。開発早期に改良を進められることで、品質向上、開発期間の短縮やコスト削減も期待できるでしょう。
試作品の主な製作方法
試作品の製造方法は3種類であり、それぞれで加工方法が異なります。
3種類の試作品の製造方法と加工方法を解説します。
① 3Dプリンター
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3Dプリンターによる試作品製作は、金型の製作や複雑な技術も不要であるため切削加工や射出成形と比べて短期間で加工できることがメリットです。
まずは3Dデータを作成するために、計測・分析を行います。データ作成ソフトまたは現物をスキャンする等で3Dデータを作成し、STLデータ(3DのCADソフト用のファイルフォーマット)に変換して造形を確認します。その後、STLデータを基に3Dプリンターを作動させるためのプログラムを作成し、実際に3Dプリンターで製造します。
完成した造形物のサポート材(主体部分を支えるために補助している材料)を除去してから、仕上げ処理および仕上げ加工を施して完成です。
② 切削加工
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切削加工は、試作品製作における一般的な方法です。
切削加工による試作品製作では計測・分析を行い、加工図面の作成および確認をしてから、用途に応じて適切な材料を選定します。
その後、製品の形状・加工の複雑さ・必要な精度などによって、フライス盤や旋盤、マシニングセンタなどの使用する機械を選出します。
CADで図形を作成し、CAMシステム(CADで作成されたデータを基にコンピューター制御された工作機械を自動で動かすためのシステム)のプログラムを作成します。
プログラムを作成したら機械に材料をセットし、ドリルやエンドミルなどの切削工具でプログラムに従い、切削加工を行います。切削が終わるとバリ取りや面取りなどの仕上げ加工を行って完成です。
切削加工は、金属や樹脂の材料を工具で削って形状を製作する方法です。材料本来の物性に近い状態で評価しやすく、寸法精度や表面品質が求められる試作に適しています。一方、工具が届かない内部構造や極端に微細・複雑な形状では、加工が難しい場合があります。
③ 金型と射出成形
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射出成形は、金型の製作から始まります。金型の製作は、製品の出来を左右する重要な工程です。
金型製作費用は、サイズなどにもよりますが数十万円~100万円以上することもあります。コストが高いことがデメリットですが、アルミ材などを使用した簡易金型であれば、ある程度コストを抑えることも可能です。
射出成形で試作品を製作するには、計測・分析後、金型の設計図を作成し、金型を製作します。金型ができたら、射出成形機に金型を取り付け、熱で溶解した材料を流し込みます。
材料が冷めて硬化したら射出成形機から金型を取り出し、仕上げ加工を施せば完成です。
試作サービスを依頼する前に整理する情報
試作会社へ相談する際は、形状データだけでなく、試作の目的と評価項目を共有することが重要です。条件が明確であるほど、製法、材料、納期、見積もりの検討を進めやすくなります。
・試作の目的:外観確認、組立確認、機能評価、研究用途など
・3Dデータや図面の有無
・希望する材料と使用環境
・必要な寸法精度と重要寸法
・サイズ、数量、希望納期
・表面処理、塗装、組立などの後加工
・機密保持やデータ管理の条件
・量産を想定するか、試作のみか
試作会社・試作サービスの選び方
試作サービスを利用する際には、さまざまな要因を考慮した上でメーカーを選択する必要があります。
選ぶ際に注意したいポイントは以下の通りです。
製品の材質 | 試作品の製造方法によって使用できる材料に制限がある場合があります。 特に3Dプリンターでは機種によって制限が多いですが、一方でBMF Japan 株式会社の可溶性樹脂のように3Dプリンターで射出成形用のモールドを印刷することで、材料の制限だけでなく費用や納期など多くのメリットをもたらす技術も開発されています。 |
加工技術 | 加工技術の精度が、求める水準にあるか、技術や実績をよく確認しましょう |
納期 | 一般的に、金型を製作する必要がある場合は時間がかかることが多いです。3Dプリンターや切削加工はサービス提供会社によって差があります。 試作品の作成にどの程度時間的余裕があるかで使えるサービスが限定されます。 |
予算 | サイズや材質、作成方法によって費用は大きく変わります。材料、納期、精度などの条件を満たした上で、できるだけ複数の見積もりをとると良いでしょう。 |
上記のポイントを総合的に判断して選択しましょう。
試作サービスを提供する主な会社
ここでは、試作サービスを提供しているメーカーをご紹介します。
BMF Japan株式会社
BMF Japan株式会社は、高精細・高精度3Dプリンターの企画・製造・販売を手掛けているグローバル企業です。
BMF Japan 株式会社の3Dプリンターの大きな強みは優れた光学解像度と加工公差で、従来の切削加工や金型による試作品の製作では難しい複雑な微細構造を実現します。
microArch®シリーズの光学解像度は2μm・10μm、加工公差は±10μm・±25μmと、非常に精度の高い読み取りと加工性を持ち合わせています。産業用途で±10μm・25μmの公差で安定的に制御できる、世界初の3Dプリンターを開発したメーカーです。
また、高精細・高精度でありながら、3~48時間以内でのスピーディーな造形を実現していることも大きな特徴です。改良を重ねる試作品の製造においても、高品質・スピーディに対応可能です。
microArch®シリーズのスペックは以下をご覧ください。

microArch®シリーズの中でも、「microArchⓇ S230」はもっとも高い解像度を誇る3Dプリンタ―です。超高解像度と厳しい公差を要求するアプリケーションに使用され、特に最先端の精密部品の試作製作に最適です。CADデータを忠実に出力し、理想的な試作品を完璧に仕上げます。

microArch®S230による造形モデル:マイクロクイーン
microArchⓇ S230については以下の記事も参考にしてください。
BMF、次世代フラッグシップ3Dプリンター「microArch®S230」を発売開始 ―超高精度マイクロスケール3Dプリントシステム↗
以下の動画も参考にしてください。
株式会社Bfull
株式会社Bfullは、光造形方式を中心とした3Dプリントサービスを提供している企業です。大型造形や工業用途の試作品、デザインモデル、小ロット品などの製作に対応しています。
同社の公表情報によると、年間150万パーツの光造形実績があり、自動車や産業機械をはじめとする500社以上との取引実績があります。造形後の塗装、タップ、インサート加工などの後加工についても相談できます。
株式会社フュージョンテクノロジー
株式会社フュージョンテクノロジーは、3Dプリンターの販売、技術サポートおよび3D造形出力サービスを提供している企業です。
造形データをもとにした3Dプリントに対応しており、試作品や治具、部品などの製作について相談できます。対応可能な材料、造形サイズ、精度、納期は、使用する装置や形状によって異なるため、事前の確認が必要です。
株式会社NAITO
株式会社NAITOは、商品開発における企画・デザイン、設計、試作、金型、樹脂成形、組立などに対応する受託製造企業です。
製品開発の初期段階から量産までを一貫して相談でき、目的や仕様に応じて試作品の製作方法を検討できます。具体的な工法、対応材料、数量、納期については、案件ごとの確認が必要です。
NKKスイッチズ株式会社(NKK SWITCHES CO., LTD.)
NKKスイッチズ株式会社は、産業機器用スイッチの開発・製造・販売を行う企業です。同社では、NKK製品のスイッチ操作部や付属品の特注を検討している国内の顧客を対象に、3Dプリンターによる試作サービスを提供しています。
顧客が作成した3DCADデータをもとに試作品を造形し、原則として無償で提供しています。ただし、形状や数量によっては有償になる場合があります。また、NKK製品と無関係な試作品やスイッチ内部機構の造形は対象外です。
SOLIZE株式会社
SOLIZE株式会社は、車載機器やデジタル機器製品へのエンジニアリング事業をメインに活動しており、日本だけでなくアメリカ・インド・上海にも拠点を置きグローバルに事業展開している企業です。
また、3Dプリンターの代理店として、30年にわたり受託製造も行ってきた実績があり、3Dプリンターの保有台数は国内最大級(40台以上保有)であり、試作品の短納期が期待できるでしょう。
株式会社J・3D
株式会社J・3Dは、金属3Dプリンターによる受託造形を専門とする企業です。金属部品の試作や少量製作を中心に、自動車、金型、航空宇宙、医療などの分野に向けた造形サービスを提供しています。
金属3Dプリンターによる造形のほか、3DCADデータ作成や造形後の処理についても相談できます。対応材料、造形サイズ、精度、納期は案件によって異なるため、事前確認が必要です。
SST設計開発センター株式会社
SST設計開発センター株式会社は、製品開発支援から部品設計、試作、量産まで対応する企業です。
3Dプリンターを使用した試作では、光造形・粉体造形、樹脂・金属に対応しています。試作1個から小ロット、量産まで相談でき、切削加工、板金・プレス、真空注型、簡易金型、射出成形など複数の工法も取り扱っています。
アシストVエンジニアリング株式会社
アシストVエンジニアリング株式会社は、電子機器製品の開発・製造、EMS、検査装置や治具の製作などに対応する企業です。
3Dプリンターを活用した樹脂部品の試作にも対応しており、電子機器や情報機器について、試作から量産まで相談できます。製作に必要な3Dデータについても、案件に応じて支援を受けられます。
株式会社アリエル
株式会社アリエルは、3Dデータ作成、3Dプリント、切削・金型成形などの製造加工、研磨・塗装などの後加工を組み合わせたものづくりサービスを提供しています。
3Dデータがない場合でも、現物、写真、手書き寸法図などをもとにしたデータ作成について相談できます。樹脂・金属を含む各種材料に対応し、試作1個から小ロット・量産まで、用途に応じた工法を検討できます。
株式会社アペックス
株式会社アペックスは、デザインモデルや試作品の製作を行う企業です。設計・デザインからモデル製作まで対応し、機械加工、3Dプリンター、真空注型、仕上げ、部品組み込み、加飾などを組み合わせた製作を相談できます。
外観確認用モデル、機能確認用試作品、小ロット品など、目的に応じた製作方法を検討できる点が特徴です。
株式会社巧電社
株式会社巧電社は、東京都大田区に本社を置き、精密切削加工を中心に試作部品や開発部品の製作を行う企業です。
樹脂・アルミ・ステンレスなどのマシニング切削加工に加え、旋盤・ギア加工、光造形、真空注型、試作金型・量産金型、成形、板金など、複数の製法に対応しています。試作加工を中心に、1個から数千個程度までの開発部品に対応しているため、形状確認用の試作品から小ロット製作、量産を見据えた部品開発まで相談できます。
特に、切削加工では汎用樹脂、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック、アルミ、ステンレスなど幅広い材料を扱っています。部品の形状、材料、要求精度、数量に応じて製法を検討できる点が特徴です。
株式会社三栄プラテック
株式会社三栄プラテックは、プラスチックのR曲げ加工と真空成形を中心に、組立まで対応する企業です。
真空成形による試作や、その後の量産について相談できます。製品の形状、材料、数量、用途に応じて、成形方法や製作条件の事前確認が必要です。
株式会社柴田製作所
株式会社柴田製作所は、鋳造品の試作や量産に対応する企業です。試作専用金型を用いた鋳造、小ロット・多品種の製作、図面の起案・修正、金型製作などについて相談できます。
量産を見据えた試作品の製作にも対応しており、設計から鋳造、仕上げまで一連の工程を検討できます。
有限会社ティープロ
有限会社ティープロは、富山県富山市に所在し、表面処理用機械や各種自動化設備の設計・製作などを行う企業です。公開されている企業情報では、樹脂タイプの3Dプリンターによる試作品の受託製作も事業内容として案内されています。
ただし、現在の対応設備、材料、造形サイズ、精度、納期などの詳細は公開情報だけでは確認できないため、依頼前に同社へ直接確認する必要があります。
株式会社テクノラボ
株式会社テクノラボ社は、デザイン・設計・試作・素材選定・品質管理に至るまでをトータルサポートしており、簡易金型成形や本金型成形も手掛けています。 また、幅広い知見と長年培ってきた技術力を活かして、プラスチック製品におけるデザインの提案から一貫して依頼できるうえに、経費削減のため参考価格を提示しています。
有限会社中山工業
有限会社中山工業は、CAD/CAMによって制御されたNC加工機を使用し、高品質・高精度なプラスチック製品を提供している企業です。 試作製作以外にも治具・銘板の製作や成形品の追加工も手掛けており、プラスチックの加工にまつわる業務に幅広く対応しています。試作品は1個から依頼できるため、少量生産の場合にも気軽に相談が可能です。
日邦産業株式会社
日邦産業株式会社は、エレクトロニクス、モビリティ、医療・精密機器などの分野で、材料や部品の供給、樹脂成形品・組立品の製造などを行う企業です。
設計・評価・試作事業では、受託設計、各種試作、材料評価・解析などを提供しています。具体的な加工方法や対応材料は案件によって異なるため、公式窓口への確認が必要です。
株式会社日本アッセー
株式会社日本アッセーは、電気接点のカシメ加工、ファイバレーザ溶接、スポット溶接などを行う企業です。
同社は、限られた予算、難加工、指定スケジュールなどの課題を持つ製造業向けに「試作特急サービス」を提供しています。具体的な対応工法、数量、納期、図面の要否については、試作相談窓口での確認が必要です。
日本海計測特機株式会社
日本海計測特機株式会社は、計測機器や計測システムに関する事業に加え、セラミック3Dプリンターによる部品の受託製造を行っています。
量産前の試作モデル、機能評価用の試作品、小ロット部品、金型では製作が難しい複雑形状のセラミック部品について相談できます。材料や形状、焼成条件などによって製作可否が異なるため、3Dデータをもとにした事前確認が必要です。
日本ゼオン株式会社
日本ゼオン株式会社は、シクロオレフィンポリマー(COP)を使用したマイクロ流路チップの試作・製作サービスを提供しています。
マイクロ流路チップについて、設計、成形、切削、接合まで一連の工程を相談できます。一般的な試作品全般を対象とするサービスではなく、COP製マイクロ流路チップを検討している場合に適したサービスです。
株式会社ネイブ
株式会社ネイブは、デザイン、設計、試作、量産までの製品開発プロセスを支援する企業です。
3次元CAD・CAM、3Dモデリング、光造形、樹脂・金属の切削加工、鋳造、各種治具の製作、三次元測定などを組み合わせ、製品開発や試作品製作について相談できます。
株式会社山本金属製作所
株式会社山本金属製作所は、精密切削加工、計測・評価、加工技術の開発支援などを行う企業です。
FSW(摩擦攪拌接合)の試作・量産受託加工や、LASを活用した機械加工の最適化支援などを提供しています。形状、材料、加工条件、評価内容に応じて、試作から量産まで相談できます。
微細・高精度試作に対応するBMFの造形サービス
BMFのPµSL(Projection Micro Stereolithography)は、投影光を精密に制御し、微細構造を含む三次元形状を造形する光造形技術です。microArch®シリーズは、2µm、10µm、25µmの光学解像度に対応し、要求精度、造形サイズ、用途に応じて機種を選定できます。
BMF Japanでは、微細流路、微細穴、薄壁、格子構造、工具が届きにくい内部構造など、従来工法では製作が難しい形状の試作・造形サービスを提供しています。
ただし、実際の造形可否と精度は、形状、寸法、材料、造形方向、サポート、未硬化樹脂の排出、洗浄、後処理、要求品質によって異なります。検討時には3Dデータと重要寸法、用途、必要数量をご共有ください。
まとめ
試作サービスを選ぶ際は、価格や納期だけでなく、試作の目的、製作方法、材料、必要精度、数量、後処理、検査体制を確認することが重要です。依頼前に3Dデータや図面、重要寸法、使用環境、評価項目を整理すると、製法と見積もりを比較しやすくなります。
微細流路、薄壁、微細穴、複雑な内部構造など、高精度な試作が必要な場合は、一般的な3Dプリンターや切削加工では対応が難しいことがあります。BMF Japanでは、3Dデータと要求仕様をもとに、PµSLによる造形可否、対応機種、材料をご案内しています。






