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光造形3Dプリンターとは?仕組み・種類・メリットと選び方

公開日: 2024.02.19

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光造形3Dプリンター

【目次】

  • 1. 光造形3Dプリンターとは?仕組み

  • 2. 光造形3Dプリンターに必要なもの

  • 3. 光造形3Dプリンターの材料

  • 4. 光造形3Dプリンターの種類|SLA・DLP・LCDの違い

  • 5. 光造形以外の3Dプリンターとの違い

  • 6. 光造形3Dプリンターのメリット

  • 7. 光造形3Dプリンターのデメリット

  • 8. 光造形3Dプリンターの選び方

  • 9. 微細部品に対応するBMFのPµSL技術

  • 10. まとめ

光造形3Dプリンターは、液体状の光硬化性樹脂に紫外線などの光を照射し、薄い層を順番に硬化させて立体形状を造形する3Dプリンターです。滑らかな表面や微細形状を再現しやすく、外観確認用モデル、精密試作、治具、マイクロ流体部品などに利用されています。

光造形には、レーザーで点を描画するSLA方式、画像を投影するDLP方式、液晶パネルをマスクとして使用するLCD方式などがあります。方式によって造形速度、造形範囲、解像度、精度、装置価格、保守性が異なるため、用途に合わせた選定が必要です。

この記事では、光造形3Dプリンターの仕組み、方式ごとの違い、材料、メリット・デメリット、導入時の選び方を解説します。あわせて、微細構造の造形に特化したBMFのPµSL技術についても紹介します。

3Dプリントサービス

光造形3Dプリンターとは?仕組み

光造形3Dプリンターは、光を照射すると硬化する液体状の光硬化性樹脂を材料として使用します。3Dデータを薄い層に分割し、各層の断面形状に合わせて樹脂を硬化させ、積層することで立体形状を作ります。

基本的な工程は次のとおりです。

  1. 3Dデータを造形用データに変換する

  2. 造形方向とサポートを設定する

  3. 光硬化性樹脂へ光を照射し、一層ずつ硬化させる

  4. 造形物を取り出し、未硬化樹脂を洗浄する

  5. 必要に応じて二次硬化とサポート除去を行う

光造形は、滑らかな表面や細かな輪郭を得やすい方式です。ただし、寸法精度や造形速度は、光源、光学系、画素・スポットサイズ、積層ピッチ、材料、造形方向、装置制御などによって変わります。「光造形であれば必ず高精度・高速」というわけではありません。

光造形3dプリンタ―

光造形3Dプリンターに必要なもの

光造形3Dプリンターを活用するには以下が必要です。

・光造形3Dプリンター本体
・3Dプリンター用レジン
・ゴム手袋、マスク、保護具
・へらまたはスクレーパー
・拭き取りができるもの
・無水エタノール・IPA(イソプロピルアルコール)・レジンウォッシュ

レジンや洗浄液の取り扱い方法は製品によって異なります。皮膚や目への接触を避けるための保護具、換気、洗浄方法、保管方法、廃液処理については、使用する材料の安全データシート(SDS)とメーカーの手順に従ってください。

水洗いレジンであっても、未硬化樹脂を含む洗浄水をそのまま下水へ流せるという意味ではありません。廃液は材料メーカーと自治体の規定に従って処理します。

光造形3Dプリンターの材料

光造形3Dプリンターでは、光を受けて硬化する光硬化性樹脂を使用します。材料には、汎用タイプのほか、靭性、耐熱性、透明性、耐薬品性、生体適合性、鋳造用途など、さまざまな特性を持つものがあります。

同じ「ABSライク」「PPライク」などの名称でも、化学組成や物性はメーカーや製品によって異なります。名称だけで判断せず、引張特性、耐熱性、吸水性、耐薬品性、経時変化、認証、用途制限などの仕様を確認することが重要です。

材料を選ぶ際は、次の項目を確認します。

- 造形物に必要な強度・靭性

- 使用温度と耐熱性

- 透明性や外観

- 耐薬品性と吸水性

- 生体適合性などの認証・用途制限

- 洗浄、二次硬化、保管条件

BMFが提供する材料の詳細は、造形材料ページをご覧ください。

造形材料ページ >>

光造形3Dプリンターの種類|SLA・DLP・LCDの違い


光造形3Dプリンターのおもな出力方式は、DLP方式とLCD方式、SLA方式です。
ここではそれぞれの出力方式について解説します。

SLA方式

SLA方式は、レーザーなどの光を走査し、断面形状を線として描画しながら樹脂を硬化させる方式です。細かな形状を制御しやすい一方、造形時間は描画面積や配置数の影響を受けます。

SLA方式では紫外線を点状にレジンに当てて造形するため、複雑で細かいものでも、3Dデータの再現性を高めた造形が可能です。ただしDLP方式やLCD方式と比較すると照射する紫外線の範囲が狭いぶん、造形のスピードは遅くなります。

また、独自の技術による特徴的な3dプリンタ―を開発している企業もあります。

BMF Japan 株式会社では、独自PµSL(Projection Micro-Stereolithography)技術に基づいた、高精細・高精度の産業用3Dプリンター「microArch®シリーズ」を開発し、従来の切削加工や金型では難しい複雑微細構造の造形を実現しています。

画像引用:BMF Japan 株式会社

PµSLは、DLP方式をもとに開発した独自の光造形技術でグラフからもわかるように、X-Y精度、Z精度ともに最高レベルの解像度を誇ります。一般的な光造形(DLP)とおなじように、UVによる樹脂硬化を重ねることで造形し、投影レンズの精密な制御により数マイクロメートルから数百ナノメートルの解像度を実現します。

造形事例_マイクロスプリング

DLP方式とは

DLP方式は、プロジェクターから断面画像を投影し、一層分を面単位で硬化させる方式です。同じ層に複数部品を配置しても露光時間が大きく変わりにくく、造形時間を短縮できる場合があります。実際の精度は投影解像度、投影範囲、光学系、材料、補正制御などに左右されます。

DLP方式では材料に対して紫外線を当てる範囲が多いため、造形スピードが早いのが特徴です。ただし照射する範囲が広くなれば広くなるほど、精度が粗くなる傾向があります。

初期費用は高くなりますが3Dプリンター本体のメンテナンス性が高く、消耗品が少ないためランニングコストをおさえられるのも、DLP方式の特徴です。

LCD方式とは

LCD方式は、液晶パネルをマスクとして利用し、その下に配置した光源から一層分を面露光する方式です。比較的導入しやすい装置が多い一方、液晶パネルは消耗部品であり、交換頻度や保守費用を確認する必要があります。

LCD方式はDLP方式と同じく、面状に紫外線を照射するため、高速造形が可能です。初期費用はDLP方式よりも安い傾向にあります。一方で、LCDパネルは造形時の熱や紫外線によって劣化するため定期的に交換が必要となり、ランニングコストが高くなる点に注意しましょう。

SLA・DLP・LCDという方式名だけでは、完成部品の精度や品質は決まりません。装置を比較するときは、カタログ上の解像度だけでなく、公差、再現性、造形範囲、積層ピッチ、材料、後処理、保守体制を確認することが重要です。

光造形以外の3Dプリンターとの違い

ここでは光造形方式以外の3Dプリンターの種類を紹介します。

3Dプリンターは、以下のように光造形方式以外にもさまざまな種類があります。

種類

特徴

FDM(熱溶解積層方式)

●高温で溶かした造形材料樹脂をノズルから押出しながら積層させ断面形状を造形し、繰り返し積層させることで立体物を作製する
●造形物の強度が高い
●熱による造形物の反りや積層構造が目立ちやすい

インクジェット方式

●液状の光硬化樹脂をノズルで吹付けると同時に紫外線を照射し、硬化させた樹脂層を造形・積層させることを繰り返して立体物を造形
●異なる光硬化樹脂を吹付けることでカラーの造形物を作成できる
●造形物が太陽光に弱い
●造形物を支えるサポート材の除去が必要なことがある

バインダージェット方式

●粉末状の材料樹脂にノズルで接着剤を吹付け、任意の場所を硬化させることで層を造形し、ステージが下降することを繰り返して立体物を作製
●着色した接着剤によりカラー造形が可能
●造形物の表面がザラザラした仕上がりになる

パウダーベッド方式

●バインダージェット方式と同様に粉末状の造形材料を硬化
●接着剤ではなくレーザー光線によって溶融・結合させることで立体物を造形
●表面がザラザラした仕上がりになりやすい
●樹脂材料だけではなく金属材料の造形が可能

シート積層法

●一層ごとに必要な形状にカットしたシートを積み重ねて立体物を造形
●バインダージェット方式やパウダーベッド方式における粉末をシートに置き換えた造形方式
●着色されたシート材を使用することでカラー造形が可能
●造形物の形状によっては不要なシート材を大量に廃棄する必要がある

指向性エネルギー堆積法

●レーザー光を照射しつつ金属粉末等を吹付けることで溶融・結合させ、肉盛り溶接の要領で立体物を造形
●金属材料特有の造形方式
●金属溶接と似た方式のため耐久性の高い造形や異なる金属を組み合わせた造形が可能
●積層の段が目立ってしまったり寸法精度が低くなりやすい


光造形3Dプリンターのメリット

光造形3Dプリンターには、ほかの造形方式の3Dプリンターと比較すると多くのすぐれた点があります。ここでは光造形3Dプリンターのメリットを解説します。

面露光方式では造形時間を短縮しやすい

DLP方式やLCD方式は一層分を面単位で露光するため、部品の配置数や形状によっては造形時間を短縮できます。ただし、総造形時間は積層数、露光条件、剥離動作、材料、造形方向によって変わります。

滑らかな表面と微細形状を得やすい

光造形3Dプリンターは、液体状の光硬化性樹脂を一層ずつ硬化させて造形するため、材料押出方式と比べて、細かな輪郭や滑らかな表面を得やすい傾向があります。

ただし、表面が滑らかであることと、寸法精度が高いことは同じではありません。完成品の寸法精度は、光学系、画素・スポットサイズ、積層ピッチ、材料の収縮、造形方向、サポート配置、洗浄、二次硬化などの影響を受けます。

寸法精度を重視する場合は、カタログ上の解像度だけで判断せず、公差、繰り返し再現性、最小壁厚、最小穴径などを確認し、実際の3Dデータを用いたテスト造形で評価することが重要です。


透明度の高い造形が可能

光造形3Dプリンターは、透明性の高い材料を選ぶことで透明度の高い仕上がりが実現します。たとえば内部構造を可視化するスケルトンモデルなども、光造形3Dプリンターなら造形可能です。

ただし、透明度の高い樹脂は経年劣化によって造形物の色が黄ばんでしまうデメリットがあります。造形当初の透明性を長期間維持することが難しい点には注意が必要です。

光造形3Dプリンターのデメリット

光造形3Dプリンターはメリットばかりではありません。ここでは光造形3Dプリンターのデメリットを解説します。

造形物の洗浄が必要

光造形方式の3Dプリンターで製作した造形物には余分な樹脂が付着するため、その樹脂の洗浄と除去が必要です。

樹脂の除去は水やエタノールなどを使用して洗浄しますが、表面以外にもこまかいすき間の液体樹脂もしっかり除去しなければいけません。さらに洗浄液に長時間つけ過ぎると造形物が解けてしまうことがあります。洗浄液のつけ過ぎにも注意しながらの洗浄が求められます。

洗浄後に出た廃液の処理にも注意が必要です。廃液にはレジンが含まれているため、そのまま下水に流してはいけません。自治体で定められた方法で廃液を処理する必要があります。

二次硬化が必要な場合がある

使用したレジンの種類や3Dプリンターの性能などによっては、造形時の紫外線の照射だけでは完全に硬化せず、半硬化となることがあります。半硬化の状態の造形物は本来の強度などの性能が発揮できず、そのままでは変形や破損の恐れがあるため二次硬化が必要です。

造形物の状態によっては洗浄後の二次硬化が必要となり、手間がかかることもデメリットと言えます。

造形後の後処理の負担が大きい

光造形3Dプリンターでの造形は、造形が崩れ落ちないためにサポート材を用いて造形を進めていきます。そのため造形後、洗浄と必要に応じて二次硬化後にサポート材の除去が必要です。

造形物が精巧または複雑であればあるほどサポート材がたくさん付着する傾向にあるため、除去の手間は大きくなります。さらにサポート材は除去後廃棄するため無駄になってしまうのもデメリットです。

サポート材の除去の手間や無駄を克服するには、造形後にペーパーややすり、ブラスト研磨機などで造形物を研磨をする方法や、サポート材なしで造形(プラットフォームに直付けする)ができる3Dプリンターを使う方法があります。

一方で、造形後の後処理を簡単にする材料の開発も進んでいます。

BMF Japan 株式会社では、硬化後に熱アルカリで溶解可能な「可溶性樹脂」を開発しました。「可溶性樹脂」はPDMSキャスティングや射出成形用のモールド印刷に適しており、硬化後に熱アルカリによって溶解可能なことで、製造業の造形に関する課題へフレキシブルに対応可能です。

可溶性樹脂によって、精密で複雑な三次元微細構造を持つPDMSデバイスを簡単かつ迅速に作製できます。また、可溶性樹脂を使用して射出成形用のモールドを印刷してから、一般的なエンジニアリングプラスチックで射出成形を行うことで、光硬化性材料の限界を突破し、従来の射出成形や直接3Dプリントでは製造できない特殊な部品を手に入れることができます。

可溶性樹脂とPDMSキャスティングプロセス

材料によっては耐候性に注意が必要

光硬化性樹脂の耐候性、耐熱性、耐薬品性は材料によって異なります。長期間の屋外使用や紫外線環境を想定する場合は、材料仕様を確認し、必要に応じて耐候性材料、表面処理、コーティングを検討します。

光造形3Dプリンターの選び方

光造形3Dプリンターは、方式名やカタログ上の解像度だけで選ぶのではなく、実際に作りたい部品と運用条件から比較します。

必要な造形サイズ

最大造形サイズだけでなく、一度に配置する部品数や必要な生産量も確認します。大きな造形範囲と微細形状の再現性は、装置によってバランスが異なります。

最小形状と寸法公差

画素サイズやレーザースポット径だけで、完成品の精度を判断することはできません。公差、再現性、壁厚、穴径、造形方向による差を、サンプル造形で確認します。

使用できる材料

強度、靭性、耐熱性、生体適合性、耐薬品性、透明性など、使用環境に必要な特性を整理します。材料の認証や用途制限も確認が必要です。

洗浄・二次硬化・サポート除去

造形後の工程は品質と作業時間に影響します。特に内部流路や微細穴では、未硬化樹脂を排出・洗浄できるかを設計段階で確認します。

テスト造形とサポート体制

外観確認用モデル、治具、精密試作、マイクロ流体部品では必要な性能が異なります。導入前に自社データでテスト造形を行い、造形条件、材料、保守、技術支援を含めて評価することをおすすめします。

微細部品に対応するBMFのPµSL技術

微細構造や厳しい寸法管理が求められる場合は、一般的な光造形機だけでなく、マイクロスケールの造形に対応した装置も選択肢になります。

BMFのPµSL(Projection Micro Stereolithography)は、投影型の光造形をマイクロスケールの造形に応用した技術です。microArch®シリーズでは、部品サイズ、最小形状、要求公差、材料、必要数量に応じて機種を選定できます。

実際の造形可否は、形状、材料、造形方向、サポート、未硬化樹脂の排出、洗浄、後処理、要求品質によって異なります。

PµSLの詳しい仕組みや、SLA・DLPとの違いについては、関連記事をご覧ください。

PµSLとは|微細部品・微細構造に対応する高精度マイクロ3Dプリント技術

microArch®シリーズの製品一覧を見る

まとめ

光造形3Dプリンターは、液体状の光硬化性樹脂へ光を照射し、一層ずつ硬化させて立体形状を作る装置です。SLA・DLP・LCDなどの方式があり、それぞれ造形速度、造形範囲、精度、保守性に違いがあります。

装置を選ぶ際は、方式名や解像度だけでなく、必要な造形サイズ、最小形状、公差、再現性、材料、後処理、技術サポートまで確認することが重要です。特に微細な穴、薄壁、流路、格子構造などを造形する場合は、未硬化樹脂の排出や洗浄性も含めて評価する必要があります。

BMFでは、PµSL技術を採用したmicroArch®シリーズと造形サービスを提供しています。造形したい3Dデータや要求仕様をご共有いただければ、造形可否、材料、適切な機種についてご相談いただけます。

光造形3Dプリンターの機種選定・テスト造形を相談する

3Dプリントサービス

【目次】

  • 1. 光造形3Dプリンターとは?仕組み

  • 2. 光造形3Dプリンターに必要なもの

  • 3. 光造形3Dプリンターの材料

  • 4. 光造形3Dプリンターの種類|SLA・DLP・LCDの違い

  • 5. 光造形以外の3Dプリンターとの違い

  • 6. 光造形3Dプリンターのメリット

  • 7. 光造形3Dプリンターのデメリット

  • 8. 光造形3Dプリンターの選び方

  • 9. 微細部品に対応するBMFのPµSL技術

  • 10. まとめ

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