BMF応用:3Dプリントによるマスターモールド

近年、学術界や産業界では、微細構造や素材の多様性に対する需要が増しています。 BMFの超精密3Dプリンティング技術をキャスティングや射出成形などのプロセスを組み合わせることで、3Dプリント素材の制約を打破し、より多くの素材を利用して精密デバイスを製作することが可能となっています。

3Dプリント+キャスティングの応用例:生体電気信号モニタリング


研究者らは、BMFの超精密3Dプリンティングシステムを用いて、ミクロン単位のマスターモールドの印刷に成功し、モールドを転写することでPDMS-t(PDMS-(Triton X-100))接着層とAg/Niマイクロニードルアレイを作製し、最終的に生体電気信号を検出するための透過性の高い電極パッチを作製しました。この研究成果は、「Biomimetic Patch with Wicking-Breathable and Multi-mechanism Adhesion for Bioelectrical Signal Monitoring」というタイトルでACS Applied Materials & Interfaces誌に掲載されました。[1]

図1 PDMS-t接着層(a)およびAg/Niマイクロニードルアレイ(b)の製造プロセス[1]
PDMSサンプルの製作プロセスでは、精密3Dプリント技術を用いてマイクロニードルのモールドを作製し、PDMS-t材料をマイクロニードルの先端部分に覆われないようにモールドに注入します。脱型 (Demolding) 後、通孔構造を持つ柔軟な素材が得られます。一方、銀/ニッケル(Ag/Ni)マイクロニードルアレイは、まずPμSL技術でモールドをプリントし、次にモールド表面に銀膜を沈着させ、さらに電気ニッケルめっきを行い、最後に水酸化ナトリウム(NaOH)溶液で3Dプリントされた樹脂モールドを溶かし、マイクロニードルアレイが得られます(図1b)。この革新的な手法により、電極パッチが人間の皮膚に貼られ、発汗条件下でも正確な生体電気信号モニタリングが可能となります。

多様な素材と成形プロセスの選択


図2 Multiple Demolding[4](a)、Casting(b)、Injection Molding(c)、Stamping[7](d)のプロセス
鋳造用途では、PDMS以外にも、シリコーンゴム[2]などの弾性素材を使用することができます。 これに基づいて、研究者はまずPDMSなどの素材で転写し、得られたモールドを用いて、生体分子[3]やエポキシ樹脂[4]などの素材を複数転写することで、薬物搭載マイクロニードル[3]、X線画像デバイス[4]、マイクロメカニカルデバイス[5]などの所望のデバイスを作製することができます。(図2a)

また、キャスティングは、マイクロ流体[6]などの中空構造デバイスに適した成形方法です。3DプリントされたモールドにPDMSを真空条件下で流し込み、PDMSが硬化して成型された後、アルカリ液に入れてモールドを溶解し、最終的に狙ったモデルが得られます(図2b)。

射出成形(Injection Molding)も魅力的な成形方法であり、3Dプリントされたモールドを射出成形機の金型セットに取り付けて射出成形を行い、成形されたサンプルをアルカリ液に入れ、加熱して樹脂モールドを溶解し、最終的なモデルが得られます(図2c)。

一方、スタンピング(Stamping)技術の応用は新エネルギー関連の研究で活用されており、3Dプリントされた型を酸化グラフェン(GO)膜をスタンピングするころで、多孔質酸化グラフェン膜を作製し、溶融したLiを膜中に拡散させ、最後にGO/Li電池電極の作製に成功しました[7](図2d)。

犠牲樹脂


BMFは、この研究向けに、波長が405nmのUV硬化に適する犠牲樹脂を開発しました。 この光硬化性樹脂は、熱アルカリで溶解可能であり、PDMSキャスティングプロセスで容易に離型することができます。PμSL技術を用いて犠牲モールドを印刷することで、ユーザーはより簡単に複雑な微細構造の製造が可能です。

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参考文献一覧:


[1] Zhang, Qian, et al. “Biomimetic Patch with Wicking-Breathable and Multi-mechanism Adhesion for Bioelectrical Signal Monitoring.” ACS Applied Materials & Interfaces 14.43 (2022): 48438-48448.

[2] Liu, Wenbo, et al. “Touchless interactive teaching of soft robots through flexible bimodal sensory interfaces.” Nature communications 13.1 (2022): 5030.

[3] Wu, Mengfang, et al. “Design and fabrication of r-hirudin loaded dissolving microneedle patch for minimally invasive and long-term treatment of thromboembolic disease.” Asian Journal of Pharmaceutical Sciences 17.2 (2022): 284-297.

[4] Yi, Luying, et al. “A double-tapered fibre array for pixel-dense gamma-ray imaging.” Nature Photonics (2023): 1-7.

[5] Li, Chenghao, et al. “Directional Transportation on Microplate-Arrayed Surfaces Driven via a Magnetic Field.” ACS applied materials & interfaces 13.31 (2021): 37655-37664.

[6] Qian, Ziting, et al. “A SERS-assisted 3D organotypic microfluidic chip for in-situ visualization and monitoring breast cancer extravasation process.” Talanta 270 (2024): 125633.

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