【目次】
1. 研究背景:ロボットや医療分野を支える圧力センサー技術
2. BMF精密3Dプリントによる新しいアプローチ
3. 圧力センサーの性能と特長
4. ロボティクス応用と機械学習連携
5. まとめ:BMFが切り拓くマイクロ造形の未来
1. 研究背景:ロボットや医療分野を支える圧力センサー技術
近年、ロボットの触覚検知や健康モニタリング、VR(バーチャル・リアリティ)などの分野では、高感度かつ柔軟性を持つイオントロニック圧力センサーが重要な役割を果たしています。
しかし従来のセンサーは非線形応答や狭い検出範囲が課題となり、高性能な応用には限界がありました。
2. BMF精密3Dプリントによる新しいアプローチ
研究チームは、BMF社の精密3Dプリンター「microArch® S130」を用い、PDMSとPVA樹脂のキャスティングによって新しいフレキシブル圧力センサーを開発しました。
この装置は光学解像度2μmを誇り、作製されたマイクロ構造体は小柱直径28μm・高さ70μmという極めて精密な寸法を実現しています。
この成果は、世界的権威誌 ACS Nano にて
“Graded Interlocks for Iontronic Pressure Sensors with High Sensitivity and High Linearity over a Broad Range”
というタイトルで掲載されました。
図 1 BMF社製精密3DプリンターS130(光学解像度:2μm)及びPDMS/溶融成形用PVA樹脂などの工程で製作したイオントロニック圧力センサー)
3. 圧力センサーの性能と特長
BMFのPμSL技術で製作されたセンサーは、以下のような卓越した性能を示しました:
直線応答性(R² > 0.995)
最大感度:49.1 kPa⁻¹
圧力検出範囲:485 kPa
応答時間:5ms未満(最大200Hz検出可能)
これにより、感度・直線性・応答速度のすべてを高いレベルで両立し、従来技術を大きく上回る成果を実現しました。

図2 高感度、応答直線性、広い応答範囲などを備えたイオントロニック圧力センサ
4. ロボティクス応用と機械学習連携
開発されたセンサーをロボットアームに搭載し、物体の重量検出を実施。
機械学習(AI)との組み合わせにより、88%以上の精度で重量推定を実現しました。
これにより、ロボティクスや自動制御、ウェアラブルデバイスへの応用が期待されています。

図3 イオントロニック圧力センによる物体重量の測定
5. まとめ:BMFが切り拓くマイクロ造形の未来
本研究は、BMFのPμSL精密3Dプリント技術が、マイクロレベルの構造体を用いた新世代フレキシブルデバイス開発に貢献できることを示しました。
医療・エレクトロニクス・ロボティクスなど、幅広い分野での応用が進むと考えられます。
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