IEEE SENS J:精密3Dプリンティング+半金属めっきでテラヘルツ波検出器を作製

インターネット(IoT)、人工知能(AI)などの関連テクノロジーが急速に発展する中、モバイル通信テクノロジーはますます多くの課題と要求に直面しています。5Gに比べて、6G技術はより高速な伝送速度と低遅延を有するため、高帯域幅および低遅延のアプリケーションに強力なサポートを提供します。しかし、室温下で使用可能な高感度のテラヘルツ波検出器の不足により、6G技術の発展と普及が妨げられています。

最近、研究者たちは革新的なテラヘルツ検出器を開発しました。まず、BMF 製3DプリンターmicroArch® S130(光学解像度:2μm)を用いて、蝶形アレイを作製し、磁気スパッタリング装置を使用して、3Dプリントされたデバイス上にウェイル半金属薄膜を作製しました。更に、検出能力を向上させるためにレーザー場を使用し、室温下で高感度、低ノイズ等価電力および広い有効検出領域を持つテラヘルツ波検出器を実現しました。(図1a)

図1 (a) テラヘルツ波検出器の全体構造、(b) ワイル薄膜の厚さ (c) 3Dプリント装置のイメージ図:L1 = 0.188 mm、L2 = 0.020 mm

この研究成果は、「3D Bowtie Microarray Terahertz Detector Enhanced by Laser Excitation」というタイトルでIEEE SENSORS JOURNALに発表されました。これにより、高性能テラヘルツ検出器を作製するためのPμSL技術の有効性がさらに検証されました。

この研究成果の革新点について、ご紹介致します。

  • PμSL技術とウェイル半金属薄膜の効果的な組み合わせ:PμSL技術で製造されたサブ波長微細構造は、テラヘルツ波と活性層(ウェイル半金属)の相互作用を高める局所表面プラズマ効果を有し、単一膜よりも多くのキャリアを生成します。また、キャリアは蝶形アレイの周囲、特に蝶形の先端に制限され、より強力なテラヘルツ場を形成します(図2)。
図2 (a) 素子表面の電流密度分布と方向  (b) 0.1THz におけるデバイスの表面電場分布
  • 520nmのレーザー場による検出能力の強化:外部レーザーの影響により、室温下では、0.1 THzの場合、感度が0.30 MV/Wから0.54 MV/Wに向上し、ノイズ等価電力が92pW/Hz^1/2から50pW/Hz^1/2に低下し、それぞれ80%と45.6%の性能向上が見られました。検出器の応答時間は980msから50msに短縮され、迅速な応答能力が示されました。

 

関連記事