多用途で適応性のあるシステムの探求は、ロボット研究の原動力となっています。従来のロボットシステムは固定された構造に依存しており、ダイナミックな環境での適応性に限界がありました。ロボットが必要に応じて形状や機能を自在に変えることができれば、さまざまな状況でより有用になります。南メソジスト大学のBAST(Biological, Actuation, Sensing, and Transport)研究室で機械工学の博士号を取得中のAnuruddha Bhattacharjee氏は、マグネットコネクターと埋め込みマグネットを備えたモジュール式ロボットキューブのエンジニアリングに着手し、相互作用してさまざまな構成を形成できるようにしました。これらのモジュラー・ロボティック・キューブは、外部の磁気コントローラーを使ってワイヤレスで操作され、ミリ/マイクロスケールの再構成可能なロボット・システムの新たな道を開きました。
モジュールロボットの設計
Bhattacharjee博士は、外部の磁気コントローラーで操作できる、磁石を埋め込んだ機能的なモジュラー・キューブを設計・製作する必要がありました。キューブは2mmの縁に300μmの穴が10個開いており、磁石が埋め込まれています。キューブが正しく動作するためには、磁石を埋め込むための精密な微細穴が必要でした。研究チームは、この要件を満たすため、高精度な3Dプリンティング技術であるprojection micro stereolithography (PµSL)を採用しました。
キューブのワイヤレス制御
磁石を組み込んだ機能的なモジュラーキューブを作製した後、電磁3軸ヘルムホルツコイルのセットアップで、制御された自己組立、オンデマンドの分解、再構成作業をテストしました。モジュラーロボットの自己組立を成功させるためには、個々のキューブの正確な動きが重要で、正確な動きはキューブの製作精度に依存します。標準的な3Dプリンターでは必要な精度と正確さを再現出来ないため、Bhattacharjee 博士は、BMF microArch S140を使用することで、正確な寸法のキューブを実現しました。
「わずか2週間で、3Dプリントされたパーツが届きました。microArch S140は、私たちの設計ファイルに基づいて正確な寸法を正確に出力してくれました。BMFチームの効果的なコミュニケーションにより、研究プロセスを加速させ、予想よりも早く結果を得ることができました。BMFの効率的なコミュニケーション、製品の納品、対応の良さを考えると、BMFは長期的な協力関係を築ける信頼できるパートナーとして強くお勧めします。」– Anuruddha Bhattacharjee, Ph.D., Southern Methodist University Biological, Actuation, Sensing, and Transport Laboratory
将来展望
再構成可能なモジュラーロボットは、外部の磁気コントローラによってワイヤレスに操作することができ、命令に従って自己組立や分解を行うことができます。PµSL技術で製造された小型キューブと生体適合性材料の利用可能性により、磁気モジュラーロボットを手術器具や生物医学用途に活用する可能性が広がります。